お線香のふるさと淡路島へ~梅薫堂さん訪問レポート~

お線香のふるさと淡路島へ~梅薫堂さん訪問レポート~

こんにちは、北川です。

ゆにわマートにご用意している商品は、日常を豊かにするアイテムばかり。どんなものにも生まれてきたストーリーやつくった人の思いがありますよね。

そういった目に見えない部分を知るほど、そのものの働きや価値を感じやすくなります。

そこで今回は、ゆにわマートがオープン当初からおつきあいしてきたお線香の会社「梅薫堂」さんを訪問してうかがったお話をご紹介します。

どんな背景でお線香が生まれ、どんな思いで作られているのか、感じていただけたら嬉しいです。


「梅薫堂」さんのお線香は、どんなお線香?


梅薫堂さんは、瀬戸内海の淡路島を拠点とし、お線香を製造、販売する老舗企業さんです。

ゆにわで長年愛用しているのが「備長炭麗シリーズ」。香りがよく、消臭力や浄化力が高く、オフィスはもちろん、各店舗、各施設には常備していて、お掃除の際には必ず焚いています。

 そんな良さは知っていましたが、淡路島ではもっと深いお話を知りました。


「香りの神様」に守られている淡路島


明石海峡大橋をわたり、淡路島に一歩足を踏みいれたとたん、僕が最初に驚いたのが「空気」でした。


ガラリと変わったんです。


澄み切っていて、軽やかで、一気に呼吸が深くなりました。その場にいるだけで、元気になっていくような高いエネルギーを感じました。

たしかに、お線香をつくるなら、どんな空気(環境)のもとでつくるかは、大事なことですよね。

そして気がついたのが、淡路島ではいつも海風にのってお線香のいい香りがしているんです。

なので、しぜんとリラックスできます。まるでお線香の神様に守られているかのような安心感がありました。

そんな淡路島の西側の海岸沿いに、梅薫堂さんの本社があります。


創業は、嘉永三年(1850年)。淡路島にいくつも工場があり、なかには、手作業でお線香をつくる工場も残っています。梅薫堂さんのある地区には、ほかにもたくさんお線香メーカーさんが集まっています。

観光庁の「かおり100選」に認定されているとか。淡路島って、まさに「香りの島」なんですね。


お線香づくりがはじまったのは?


梅薫堂さんにつくと、まず、工場を見学させていただきました。壁にかかっていたお線香づくりの絵を見ながら、専務の吉井さんがお話してくださいました。

お線香づくりについて熱心に説明をきくスタッフ


淡路島でお線香づくりが始まったのは江戸時代。当時の淡路島では、主に漁業が営まれていました。しかし、冬場は季節風の影響で船が出せない。そこで、漁師さんたちの副業としてお線香づくりが始まったのです。雨が少なく、風通しの良い瀬戸内の気候が、線香作りに適していたことと、船で材料の搬入がしやすかったことなど、地の利が活きたとか。そうやって、淡路島でお線香づくりが根付いていったそうです。

きっかけは副業でも、明治時代には、島の代表的な産業にまで発展したといいますから、香りと「ご縁」があったんですね。


香りのお役目をもらったのは1300年以上前!?


さらに、淡路島の香り文化をたどってみれば、なんと奈良時代にまでさかのぼるそうです。吉井さんは、『日本書紀』には、すでに、淡路島と香りの関係が記されているんですよ、とおっしゃいます。こんなお話でした。


「奈良時代、推古天皇のころ、ひと囲いほどの香木が淡路島に漂着しました。当時の島民は、香木というものを知らず、薪と共にかまどで焼きました。すると、その煙は遠くまで類い希なる良い薫りを漂わせたのです。これは不思議な木だと思い、朝廷に献上。これが淡路島と香木との最初の出会いです」


「香木(こうぼく)」とは、沈香や白檀など、芳香をもつ木材のことです。


淡路島の枯木神社では、香木伝来伝承地として、人の体の大きさぐらいある香木(枯木)をご神体として祀っているというのです。

まるで、1300年以上も昔から、淡路島は「香りの島」になるべくして、神様からお役目をいただき、導かれてきたのです。


▲淡路島の枯木神社

そんな「香りの島」で、江戸時代からお線香づくりを営む「梅薫堂」さん。何百年もの間、どんな景色を見て、どんな香りを感じて、伝統を受け継いできたのだろう。淡路島でうまれたお線香」というだけで、なんだか特別なものを感じるようになりました。


梅薫堂さん訪問レポート②に続く


どうぞ、お楽しみに!



プロフィール

北川祐也(きたがわ ゆうや)

ゆにわマートスタッフ。2007年より、ゆにわ創業メンバーとして、『御食事ゆにわ』スタッフを15年間勤める。ホールスタッフとして培った、明るく丁寧できめ細かな接客と、わかりやすい説明に高い評価を受け、お客様からは「ゆにわさんが何を大事にしているかがよく分かった」といった声をいただいている。現在は、ゆにわマートの店舗に立ち、商品の魅力を紹介するとともに、ゆにわ流ライフスタイルを広く伝えている。