ゆにわマートのライター伊藤です。
ゆにわマートの商品のなかで、多くの方から問い合わせをいただく商品の一つが、オリジナルの浄活水器「禊(みそぎ)」です。
禊の開発は、ゆにわの飲食店を東京に出店することが決まった際に、スタートしました。
従来の浄水器では美味しい水にならず、東京の水でも美味しい紅茶を淹れられるように、との想いからでした。
これまでのどんな浄水器とも違う、未来の暮らしまで変えてしまうような、究極の浄水器。
それを〝かたち〟にできたのは、新潟県の、とあるステンレス加工会社さんのおかげです。
(社名を公にしない方針とのことで、以下、〝N社〟さんとします)
そこで今回は、N社さんを訪問した際にうかがった話をご紹介します。
N社さんの〝ものづくり〟に賭ける想いを知っていただくことで、禊の新たな魅力も感じていただけたら嬉しいです。
浄活水器「禊」とは?
「禊」は〝縄文時代の清流〟を目指して開発されました。
水道のお水をそのまま飲めない今の時代、水をきれいにする「浄水」のほか、水のエネルギーを高める「活水」システムを備えているのが特徴です。
ゆにわでは、本社オフィスをはじめ、飲食店や各施設の飲み水にはもちろん、お掃除などにも「禊」のお水を使っています。
最近では、環境問題が何かと話題になっていますよね。
生活排水も、その一因です。
しかし、「禊」を使うことで、むしろ生活で使った水が地域全体を洗い清めてくれて、土地も人も元気になる・・・そんな未来もイメージしているのです。
※「禊」の詳しい特徴については、商品ページも併せてご覧ください。
世界が注目する、ものづくりのまちへ
そんな、「禊」を製作してくださっているN社さんは、ステンレス加工のメッカとして国内外に知られる、新潟県三条市にあります。
少し車を走らせると、海や田んぼが広がっている、のどかな郊外のまち。
小さな工場が軒を連ねている一角に、N社さんの工場もありました。
その佇まいは、想像していたよりもこじんまりとしていて、なんだか親近感が湧いてきます。
それまでも、社長のNさんとは電話でやりとりをしていましたが、そのときの感覚を思い出しました。
Nさんは、なんかこう、血の通ったコミュニケーションといいますか、距離が近い。
初歩的な質問に対してもすごく丁寧に答えてくださる方で、電話越しでも、親身なお人柄がにじみ出ていたんですね。
手作業を守る意味
現地では、製作の現場も見せていただきました。
わたしが驚いたのは、機械だけに頼らず、ひとつひとつ、手作業で仕上げていたこと。
たとえば、「禊」のろ材(パワーストーン、セラミック、やしがら活性炭、花崗岩など)。
人の手で、それこそ宝物を扱うかのように、やさしく丁寧にセットしていました。
▲「禊ほど、ろ材をたっぷり使っている浄水器はない」とNさん。ろ材が多いぶん、本体のステンレスもより頑丈につくっているそうです。
また、ステンレスの加工については、シロウト目で見ても、思わず「むむっ」と唸ってしまうほど芸術的で・・・。
たとえば、こちらの写真をご覧ください。
左側は仕上げ前、右側は手作業で仕上げ加工をしたものです。
ステンレスを円筒状にした際のつなぎ目が見事に消えて、ツヤツヤになっているのがわかりますか?
これ、すべて手作業なのです。
まずは紙ヤスリから始め、少しずつ細かなヤスリへと、4段階かけて磨き上げることで、綺麗な鏡面仕上げになるそうです。
まさに鏡のようにピカピカ!
仕上がりの美しさにこだわっているとは聞いていましたが、その裏側での労力を知ると、頭が下がります。
「手作業のほうが商品に対する愛着がわくし、『次はこんなふうにしたら、より滑らかになるんじゃないか?』とアイデアが閃くからね」
確かに、すべて機械に任せてしまったら、毎回同じ設定が繰り返されるだけ。
同じ作業をしているようで、日々、創意工夫を生みだせるのは、手作業の賜物ですね。
「禊」はこうやって、密かに進化し続けていたのだと知り、ちょっと感激しました。
想いを〝かたち〟に
そもそも・・・「禊」のフォルムって、浄水器としては、かなり異彩なんだそうです。
今回、話を聞いて、初めて知りました。
一般的に、浄水器は元付けするか、シンク下に置くため、
形は二の次・・というか、あまり気にしない企業が多いらしいのです。
だから、作るのが簡単な、円筒型(本体の上部が平ら)にするのが一般的なんだとか。
一方、禊のフォルムは上部が美しいドーム形。
静かに煌く存在感があって、置くだけで場の空気が変わります・・・!
▲まるでオブジェのよう。キッチンが凛とした空間になります。
実際に禊を愛用しているお客様からは、
「禊を置いたら、空間全体が禊祓(みそぎはらえ)の場になったみたい!とても清々しいです」
といったお声もいただいています。
このかたちにするためには、相当な手間と労力が必要なのに、なぜあえてそうしているのでしょうか?
「平らな形だと、水圧のかかり方によっては、使い続けるうちにペコペコとしてしまうんです」
とNさん。
今の世の中、「壊れたら新しいのを買ってね」と考えるのが、ビジネス的には普通です。
しかし、N社では、「メンテナンスしながら長く使えるものを」という想いでものづくりに取り組んでいます。
こういったところも、ものを大切にする、ゆにわの考え方と一致しているなあ、と嬉しくなりました。
AIへの挑戦
Nさんには、ある想いがあります。
N社は昔、自動車部品を製造していましたが、求められるのは、無個性な大量生産・・・
その背景には、業界におけるAI化の流れがありました。
人間が、ロボットに使われている現場を目の当たりにし、
「行きつく先にあるのは、人間も、製品も、衰退でしかない」
と危機感を感じたそうです。
取引先企業の、あたたかみの一切ない対応にも嫌気がさした、とも・・・。
自動車業界は、製品が人身に関わるため、厳しい製品基準があります。
とはいえ、会社に言われるがまま、自分の頭で考えない人が非常に多かった。
浄水器の製造にシフトした背景には、そのような理由があったそうです。
Nさんからは、
「ものづくりの中で大切な部分、人間にしかできないことを守りながら、しっかり人と人と向き合って、コミュニケーションをとり、よりよいものを作っていきたい」
そんな気概を感じます。
ちなみにNさんは、こんなこともおっしゃっていました。
・・・こだわりを持って依頼をしてくる顧客は少ない。中には、設計図すらないザックリとした依頼や、他社の真似といった後々問題になるような依頼もある(だから、すべてを引き受けるわけではない)、と。
そんな中、ゆにわの「禊」は、
・こういうろ材を使いたい
・こんなまろやかな水を作りたい!
・こんな人たちに使ってもらいたい!
と、わたしたちも妥協なく、何度もすり合わせしながら依頼させていただいたので、そうしたこだわりを持つゆにわのことは、興味をもって、大事にしてくださっているようです。
今回の訪問を通して、わたしは、職人の創造力をかき立て、その、芸術的な技術を守ってゆくためにも、
「こんな製品、ほんとに作れるの?」
と思われるような、斬新で、未来の暮らしを豊かにするオリジナル商品をこれからも提案し、一緒に実現していきたいな、と感じました。
そして、N社さんが情熱を持ってかたちにした作品、「禊」のことも、もっとたくさんの人に知ってもらいたい。
「禊」から生まれる清らかな水を、ぜひ、体感していただきたいです・・!
お読みいただきありがとうございました。
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